長時間労働 恋愛に支障 民間調査 残業40時間超で7割
長時間労働が原因で恋愛に支障を来した人が70%以上――。民間の結婚相談所が月平均40時間を超えて残業をしている男女を対象に実施したアンケートで、こんな結果が出た。長時間労働が健康面だけでなく、私生活にも大きな影響を及ぼしている実態が浮かんだ。(中略)
残業が交際に影響を与えたかを聞いたところ、問題が生じた人は有効回答者のうち72.1%に上った。具体的な内容(複数回答可)では「一緒に過ごす時間が減った」が38.2%、「相手に迷惑を掛け、我慢させた」が37.7%、「けんかになった」が12.7%だった。既婚者の69.8%も「結婚生活に悪影響があった」と答えた。
交際や結婚がうまくいかなくなった時の対応は約半数が「我慢してもらった」と答え、「残業を減らす努力をした」を上回った。「交際を諦めて仕事に集中した」という人も15.5%いた。
(2017.6.5 日本経済新聞)
長時間労働は健康だけでなく恋愛にも悪影響、というアンケート結果についてのニュースです。ここ数年、長時間労働悪玉論が世論の多数派を占めるようになりました。確かに健康面などを考えれば、行き過ぎた長時間労働は抑制すべきですが、大人の恋愛が仕事によって制約を受けるのは当たり前の話で、長時間労働を諸悪の根源のように捉えるのは、むしろ問題を本質から遠ざける結果を招きます。
2019年度施行を目指す改正労基法案では、年間の残業時間合計を720時間(1ヵ月平均60時間)まで、特別条項によって延長する場合の上限は1ヵ月100時間未満とされており、残業時間が実質青天井になっている現行法からは大きな前進です。
改正労基法案の骨子については、すでに経団連と連合で合意ができており、詳細については今後国会で審議の予定です。日本の人口減少・労働力人口減少は長時間労働だけが原因ではありません。長時間労働抑制の法整備は着々と進んでいるのですから、それ以外の少子化対策についても早々に着手しなければ、人口減少に歯止めは掛からないでしょう。
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