「給料より休日」初めて上回る 新入社員意識調査 私生活重視の「自分ファースト」

 会社に望むのは給料が増えることより、休日が増えること-。今年度の新入社員が「働き方」を重視する傾向にあることが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが9日、公表した意識調査で明らかになった。「給料」を「休日」が逆転したのは平成16年度の調査開始以来初めてで、同社は「会社に尽くすのではなく私生活を重視する『自分ファースト』のライフスタイルだ」と分析している。

 調査は同社が実施する新入社員セミナーの参加者を対象に、3月下旬~4月上旬に約1300人から回答を得た。

 新入社員が会社に望むことは「人間関係が良い」が最多で、次いで「自分の能力の発揮、向上ができる」。ただ、能力の発揮や向上を望む新入社員の割合は減少傾向で、今年度は初めて6割を下回った。その一方で「残業がない、休日が増える」ことや「私生活に干渉されない」ことを望む割合は増加傾向だった。

(2017.5.9 産経新聞

「アメリカ海軍に学ぶ『最強のチーム』のつくり方」という本によれば、米海軍の退職理由として、1番目は「上司から大切に扱ってもらえないこと」、2番目は「積極的な行動を抑えこまれること」、3番目は「意見に耳を貸してもらえないこと」、4番目は「責任範囲を拡大してもらえないこと」5番目は「給与」であり、勤務継続のモチベーションとして、給与額は意外と低いことが分かります。

日本生産性本部の「2016年度 新入社員 春の意識調査」によると、「残業は多いが自分のキャリアや専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」のどちらを好むかとの問いに、残業が少ない職場を好むと回答した割合が前年比 7.5 ポイント増の 74.7%となり、過去最高となりました。若者の働き方に対する意識も変わりつつあります。

これは特に中小企業の経営者にとっては朗報と言えるのではないでしょうか。給与基準では大企業に太刀打ちできない中小企業でも、働き方を工夫すれば優秀な人材を獲得できるチャンスがある、ということだからです。社員数の少ない中小企業の方が社員一人ひとりに目が届きやすく、個人ごとのきめ細かいニーズに対応しやすいという利点もあります。